ゲームの話をします

書きたくなったことを書きます。脱筆不精

Nintendo Switchプレイが向いているゲーム/向いていないゲームの話

私がプレイしたことあるゲームの中で、とくにスイッチでやるのに向いていると思ったゲームと、別の媒体でやる方をお勧めしたいゲームの話をします。
「レビューというのは個々に偏重があっても数があれば均されるので、あればあるだけ良いはずだ。ならば好きなゲーム並べて感想言ってるだけのレビューでも、多少なりとも何らかの参考になるのでは?」と思いこの記事を書きました。操作性にはうるさい方なので、そういうの気になるタイプなゲーマー同志の参考になれたら嬉しいです。


スイッチの特記すべき利点
・本体の起動が速い
・ホーム画面の動作が速い
・ソフトの再開が速い
・中断が簡単で速い
・録画機能が簡単でお手軽
バーコードリーダーでスクショや動画をスマホに送れる
・ゲーム中にうっかりコンセントをぶち抜いても大丈夫
 (携帯モードに移行するので)

スイッチの特記すべき欠点
・スティックが壊れやすい(ジョイコンに限る)
・液晶画面の映り込みが強烈
・設定画面がやや煩雑(特にコントローラー回りの設定がバラけている)
・録画機能が30秒前録画のみ
・動画編集機能が貧弱

 

   

 


スイッチ版がおすすめのゲーム

Slay the Spire(PC/ PS4/ iOS、他)

 たくさんのフォロワーを生んだ、デッキ構築型ローグライクの先駆けにして言わずと知れた稀代の傑作。スイッチは起動がとても速いので、一周が短くちょっとした空き時間に手軽にできるローグライクとの相性は良好。気づいたら起動して登っては第二幕で死ぬ。

 さくさく動作し、カスタムのエンドレスで大量の(=ほぼすべての)レリックと手札いっぱいのカードを抱えても処理落ちしない。ダブルタップ枝鬼火はいいぞ。携帯モード(タッチ操作)ではマウスプレイに近い感覚で遊べる。やや慣れが必要ではあるが、TVモード(コントローラー操作)でのUIも十分に快適。ボタンを連打した際などに一部演出が乱れたり処理が追い付かなかったりするが、画面が止まったり動作がおぼつかなくなることはない。

 人によっては気にならない程度ながら、コンシューマー(おそらくiOSも?)版は翻訳がお世辞にも良いとは言えないことも明記しておくべきだろう。意味不明のたぐいではなく、言葉のチョイスが絶望的にダサい。没入感や世界観の味わいはPC版に大きく劣るといえる。

おもしろさ:★★★★☆
お墨付き。ドミニオンボードゲーム)が好きな人は、まずハマる

むずかしさ:★★★☆☆
ローグライクらしく、初めたてが一番むずかしい。リトライを厭わない人向け

スイッチ度:★★★★★
ジャンルのスイッチ適正が高い

 

 

グノーシア(PSPVita)Steam版2021年配信決定おめでとう

 話題沸騰の名作SF人狼シミュレーション。人狼ゲームを下敷きに、緻密に練り上げられたSFストーリーは見事のひとこと。人狼ゲームを上手くソロプレイ用に落とし込んだゲームシステムは、対人プレイとは一味違った面白さを見せてくれる。1プレイが短い周回ゲームのため、スイッチ適正が極めて高い。

 チュートリアルやゲーム内マニュアルが充実しており、人狼ゲームが全く分からない人でも問題なく遊べる。その一方、狩人COやHOの共有トラップ(両潜伏は場合によって可能)を含めた一部の戦術はシステム上不可能なので、人によっては(特に歴戦の人狼プレイヤーには)もどかしく思う部分もある。(※共有の仕様についてもう少し説明を加えると、共有のNPCは片方が共有COすると相方も必ずCOする。そのため、潜伏共有はプレイヤーのみ可能なのだが、HOとなった相方NPCは嘘つきと判断されてしまい、高確率で吊られるか不必要に疑われて議論を乱すため戦術としてほぼ成立しない)

 人狼ゲームとしてのプレイ感覚は初心者村に近いのだが、対人戦とは異なるセオリーが存在する。なので「人狼ームだ!」と意気込んでいると、やや肩透かしを食らうかもしれない。占い理由や灰雑感はもちろん聞けないので、場の雰囲気や人柄で思考を察するメタ読みが主な情報源になる。対戦AIに人柄があるのかって?それが、あるのだ。そこがグノーシアのすごいところ。

 スイッチ版は諸々の調整が入っており、より遊びやすくなっている点もおすすめする理由のひとつ。具体的には二週目以降のスチル閲覧の追加、イベントの難易度調整、とある強キャラの弱体など。

おもしろさ:★★★★★
加速度的に上昇。プレイヤーごとに変わるゲーム体験。マジ面白いっすよこれ

むずかしさ:★★★☆☆
お手軽。マニュアルが親切で分かりやすい

スイッチ度:★★★★★
ばつぐん。もっと言えば携帯機向き

 

 

Hollow Knight(PC/PS4、他)

 説明不要の超大作、横スクアクションRPG。虫の世界の話なのでガチ虫デザインの敵が過半数を占める。デフォルメされていてもキモイものはキモイし、音にも強いこだわりを感じるリアルさなので、本当に虫が無理な人はやめておいた方がいい。虫のというコンセプトが持つイメージや生態と緊密に絡み合い、組み上げられた物語も非常に魅力的なのだが、いかんせん難易度が高く、物語の深みに触れる前に折れてしまう人も少なくないかもしれない。あとマジで虫だったり、虫ではないが集合体があったり、血は出ないのにグロかったりするので、途中で生理的に無理すぎて折れる可能性もある。どこもかしこも繊細で美麗ではあるが、美しい背景やオブジェクトと同じ繊細さでキモいものをも全力で描き出しているため、注意喚起を前面に出さざるを得ず、実にもどかしく思う。

 上記が大丈夫なのであれば、本当に本当にめちゃくちゃにオススメ。

 背景美術、ギミック、アクション、伏線、隠し要素、小物の細部に至るまで、どこをとっても手が込んでおり、隅々まで作りこまれた虫達の世界は度々プレイヤーを圧倒する。一方その緻密さもあってか、PCでプレイする場合の要求スペックが2Dのゲームにしてはかなり高く、生半可なPCではガクつく。前述の難易度ゆえに、わずかなラグや操作の違和が命取りになるため、描画が安定する媒体でのプレイを推奨。スイッチ版は長時間のプレイで1度エラー落ちしたが、フレームレートは安定していてガクつきやラグはない。テキストの妙な区切りと全域録画禁止(スイッチ版のみ?)が玉に瑕。

おもしろさ:★★★★★
絶妙。頑張ればいけるストーリーと、ゲロムズ追加コンテンツの塩梅が上手い

むずかしさ:★★★★★
探索が苦ではない人、アクション慣れした人向け

スイッチ度:★★★★☆
おすすめ。ゲーム自体も心底おすすめ。本当にやってほしい

 

 


スイッチ版がおすすめじゃないゲーム

Legal Dungeon(PC)

 書類作成ミステリーアドベンチャー、と書くと表現が独特すぎて面食らうが、既存有名ゲームになぞらえるなら逆転裁判に近いか。膨大かつ多岐にわたる事件の調査記録(+補足資料)とにらめっこしながら、情報を整理し、矛盾を洗い、論理を組立てて書類を作成する謎解きゲーム。

 ストーリーパートは会話調で進み、イラストも主人公の発言もないため、話の流れが掴みにくいところがある。登場人物たちは解説役ではなく、ゲーム内のあちらこちらにいくつも隠された仕込みのすべて語りつくしてはくれない。だが、短いながらも多くの感情を呼び起こす物語はプレイヤーの興味を引き、事件の全貌を知るために膨大な資料と何度も格闘させるだけの魅力は十分持ち合わせているといえる。そうして苦労しながら読み解いた物語は、別の意味を持ってプレイヤーを悩ませる。クセはあるものの、テキストノベルや考察が好きなら楽しめること請け合い。

 プレイ感については、UI、画面作り、設定に至るまで片っ端からPC向きにチューニングされている。ドラッグ&ドロップが基本操作なので、直截に言えばマウス操作以外では若干煩わしい。タッチ操作についても、文字(=判定箇所)が小さくドラッグとタッチの判別にもたつきがあるため、残念ながらマウスの互換にはなっていない。加えて雰囲気づくりにも作用するところがあり、書類作成画面は特に、PCでやるのと他媒体でやるのとでは臨場感が違ってくるだろう。PCで遊べる環境があるなら、そちらを推奨したい。スイッチ版でやるのであれば「右スティックでページをめくれる」「あおいは掴むことができ、その場に落とすとバックログが出る」の2点は絶対押さえておくべき。

 その他の大きな違いとしては、スイッチ版のみ隠しワードがすでに色分けされている点が挙げられる。ゲーム自体の難易度がそこそこ高いため、スイッチ版の方がより平易かつ遊びやすくなっている。

おもしろさ:★★☆☆☆
独特で万人受けはしないが好きな人はめちゃくちゃ好き

むずかしさ:★★★★☆
難しいが、タイムライン方式かつ選択肢は限られるのでアタリはつけやすい

スイッチ度:★★★☆☆
PC向けのデザイン

 

 

サバクのネズミ団!改。(PC/PS4)(旧作:3DS

 知る人ぞ知るDL専売の雄。ネズミたちに指示を出し、サバクを渡るフネを強化しながら、夢の黄金郷を目指すリソース管理ゲーム。荒涼としたポストアポカリプスっぽい世界観はスターウォーズにインスパイアされており、それっぽいイベントも存在する。

 ゲーム自体はあまりセカセカしておらず、リカバリーも簡単なため(※ただしホスピタルロスを除く)、リソース管理ゲームをやったことがない、という人にもおすすめ。てつだいロボさえ失くさなきゃなんとかなる。めったなことじゃ失くならないが、もし失くしたら素直にやり直そう。私はやり直しました。倉庫整理は計画的に。

 現行機で販売されている「改。」は、3DSでDL専売されている「サバクのネズミ団!」に諸々の調整や追加イベントなどを含めたパワーアップバージョン……なのだが、UIが3DS版に大きく劣ってしまっている。DS作品の例に漏れず、タッチペンなしでの操作が想定されていないため、TVモードだととにかく遊びづらさが目立つ。携帯モードでは若干解消されるが、2画面表示だったものが1画面になっているため、少なからず無理が生じている。また、携帯モードでは液晶画面の照り返し、映り込みが強烈なため、画面を見るのがとてもつらい。

 ゲームそのものは面白い上にスイッチで遊ぶのに向いているため、非常に口惜しい。DS版で遊んだことがなければ、そこまで操作性に難を感じることもないのかもしれないが……。

おもしろさ:★★★☆☆
バッチリ。ただし単調になりがちで、中だるみしやすい

むずかしさ:★★☆☆☆
ゆるめ。フネの増改築に関しては少々シビアなところも

スイッチ度:★★☆☆☆
UIがもどかしい

 


Enter the Gungeon(PC/PS4
 数多あるローグライクの中でも、弾幕シューティングとアクションが掛け合わされた異色の傑作。ある程度運が絡む部分もあるものの、運で勝てる場面はほとんどなく、プレイヤー自身の実力がプレイングに如実に表れる。アクションやシューティングに強くないと、このゲームの面白みを感じられないまま投げ出してしまいたくなるかもしれない。その分、自分の腕がめきめき上がっていくのもダイレクトに分かるので、やればやるほど上手くなるしどんどん楽しくなってくる。

 ローグライクなのでスイッチとの相性は良いのだが、結構カクつく。時折未舗装の砂利道を走るような細かい突っかかりがあり、部屋に入る時や一部ボスでは(数秒とはいえ)顕著に画面が止まったり、処理落ちが発生したりする。また、若干ロードが長い。ただし、極端にプレイが困難というほどではなく、人によっては十分許容できる範囲だろう。

 先に紹介したHollow Knight同様、このゲームもPCでプレイする際の要求スペックが高いのだが、Hollow Knightとは逆に、こちらはPCではカクつかなかった。PCは環境によって動作に揺らぎがあるのでPC版の快適さは保証できないが、スイッチ版の挙動に不安があるのは間違いない。

 そもそも、このゲームはコントローラーでやるよりも、キーボードとマウスでのプレイが頭一つ抜けて強い。誤解のないように言っておくが、コントローラーだとクリアできない!なんてことは全くなく、むしろアクション性が強いのでコントローラーの方が慣れやすく遊びやすい。その上使用するボタンが多いため、キーボード+マウスプレイの場合は左手デバイスや多機能マウスがなければ習熟が難しい。私自身もコントローラーでプレイしている。しかし、それらを加味した上でも、どちらかといえばやはりキーボードプレイの方を勧めたい。

おもしろさ:★★★★☆
プレイヤーの腕前と根気による

むずかしさ:★★★★☆
難しめ。序盤でくじけない人向け。武器のインフレが凄いので、終盤の方が逆に楽だったり

スイッチ度:★☆☆☆☆
おすすめしない

 

 


判定困難

すばらしきこのせかい Final Remix(旧作:DS/iOS
 かのスクエニの放った秀作アクションRPGを現行機向けにリブートし、追加要素もくっつけた11年越しのリマスター版。システム面には多少の古臭さが残るものの、流行に左右されない独特のデザインセンスと「渋谷っぽさ」を体現したかのようなクールなBGMは、今なお色あせない新鮮さがある。

 最大の特色であった二画面同時進行バトルは一画面用に改修が加えられており、戦闘が結構別モノになっている(一画面化についてはiOS版準拠と思われる)。個人的にはDS版のせわしなさや独自のマルチ画面バトルが好ましいが、これはこれで面白く仕上がっているのではないだろうか。パートナーが仕様変更に伴う超ナーフを受けているため、スイッチ版(iOS版)の方が幾分か難しく、DSではいかにパートナー性能に頼っていたかよくよく思い知らされた。

 スイッチ版特有の点としてはTVモードでのジャイロ戦闘があるのだが……正直、慣れるより先に挫折してしまった。戦闘スタイルによっては、ジャイロプレイは絶望的と言わざるを得ない。おすそわけプレイはやったことがない(……)ので何とも言えないが、ジャイロ必須な点は留意すべき。ちなみにプロコンは使用不可である。

おもしろさ:★★★☆☆
マブスラをやるんだ!!!!!!!!!!!!!

むずかしさ:★★★☆☆
いつでも難易度変更できるので、あまり心配はいらない

スイッチ度:★★★☆☆
ジャイロ操作は難点が多いが、好みの問題にギリギリ収まる

  

 

 

あとがき

下書きのまま置いているうちに、すばせかは続編が発表され、グノーシアは近々PC版が配信されることになっていた。有名企業からもインディーズからも、毎年歴史に名を残すような名作が次々と生み出されている。一時期の斜陽傾向が嘘のように、ゲーム界隈の流れが活発になっているようでとても嬉しい。E3が楽しみ。